剣道:上体の崩れない蹴り出し方

前記事(「面打ち」を解析する)で骨盤部に力を溜めた状態で体を蹴り出し前進させて打突することを説明しました。
そしてあくまでその状態を保持しやすいよう、慣れるまでは「飛ぶ距離を小さくする」よう説明しました。
遠くに飛ぼうという意識は簡単に上体を前方に流れやすくさせるからです。


しかし、穿った見方をすればある事に気づきませんか?
「飛び込み面」という技では、上体がかなり前傾しているではないか、と。


飛び込み面とは通常の蹴り出しで稼いだ距離にプラスして上体を前傾させることで飛距離を上乗せした打ちの事。試合では日常的に見られる技でもあります。


私の見解をここで簡単に述べるなら「できる人はやればいい」それだけです。
私だってやれるものならやりたい、いや、いつかはやる!
でも、今はまだその時じゃない、、、、と思っているのです。
実年近い初心者の方、あるいはリバ剣で実年近くまで体を動かしてこなかった人にとって、あれは「禁じ技」です。あんな技の存在なんて無いものと思いましょう。


習得しようと挑戦するのは個人の自由ですが、明日からの仕事、日常の家事を賭けてまで取り組むべきかは、、、、私には分かりません、判断を委ねます。



脱線しました、話を戻します。
しかし「慣れるまで」とはいうものの、実際はある程度の距離を飛ばないと実践では使えないでしょう。
要はどうやったら腰部分に力を保持した形で上体を前方に移動させられるか、なのです。


ここからは参考までに私個人の工夫を述べます。但しこれはあくまで「個人的」な工夫です。
人それぞれ体の特徴や癖などがあり、必ずしもそれが正解であるとは言えないからです。自身の体を見つめ直しどういったやり方が自分に向いているのか、各人努力して見つけてください。


私の工夫、それは「左足ひかがみで上体の荷重を受ける」というものです。


「ひかがみを伸ばせ!」は稽古中でもよく聞かされるセリフです。
ひかがみ(ここでは左足膝裏)のバネは物凄い力を発揮する部分で、実際蹴り出し時に生み出される推進力の多くはここの稼働(伸ばし)から起こります。
普段は曲げすぎず、伸ばしすぎず。構えの時はこの状態を良しとしていますよね。


曲げすぎてしまうと余計な力を駆使しないと使えず、伸ばしすぎるとこれもまた伸びきらないため有効には使えない。
曲げすぎず、伸ばしすぎずという状態でこそバネの力が最も発揮されるのです。


私は構えの時に、この状態のひかがみにして、かつ膝の位置を内側(モモの内側方向)に少しだけ入れるようにします。


私は生来「ガニ股」です。構えの時には左足指先を相手に向けているものの、実は左足の膝頭はほんのすこしだけ外に向いています。
これでは前方への推進力が幾分かロスしてしまうため、膝頭を前方向に向けるために膝頭を内側に回転(頭から足を見た場合の視点)させます。こうすることによって膝頭が上体の真下近くにほんの少しだけ移動します。


この状態で構えた時、右足の膝を少しづつ曲げていきましょう。
次第に左のひかがみに上体の荷重が掛かってくることに気づきませんか。
そして右足を床から離してすぐに左足ひかがみを伸ばしていけば、、、、上体が上手く前方に移動できないでしょうか、腰が崩れないままに。


要点としては、蹴り出す前にひかがみで荷重を支えること、蹴り出し時にはひかがみをしっかり伸ばすことで、結果左足で上体を運ぶような感覚になります。


これで上体の姿勢を崩さずに踏み込み地点まで移動させることを可能にするのです。


実際は各人の体の特性に合わせて調整頂くことになりますので参考までに。

この記事へのコメント

2019年07月09日 17:56
定点観測人さん

いつも ありがとうございます。

わかりやすい!!

伸ばした右膝を徐々に前に曲げていく
描写…これは素晴らしいです。
試してみたところ…
これだっ!膝を打ちました!

今度の稽古が始まる前に
遅剣の方に、教えてあげなきゃ!(笑)

ありがとうございます。
定点観測人
2019年07月09日 18:05
またおやまあさん。

こんにちは。お世話になっています。
「先生」と呼ばれるようなお人にそんな事言われるとビックリしてしまいますが(笑)

「ひかがみを伸ばせ」とか「左足で蹴り出せ」と言われても、言葉としては分かるものの、何がどうでどうなるのか?までは教えて貰えないのです。

上体を前に平行に運ぶ、これはとてつもなく難しく技術がいるのでしょうが、そのやり方はさっぱりだったんですよね。

これは私の試行錯誤の果てで見つけた方法ですから、もっと良いものもあるかと思います。
この辺りは試してみて貰えれば。