大人初心者に捧げる 全身を使った打突への道 序章

まずは、この動画を見てください。3分36秒あたりから。


https://www.youtube.com/watch?v=hWgKKtZnSy8&t=391s


元巨人軍の桑田真澄氏の野球教室の一コマです。
参加した少年たちに桑田氏はこう問い掛けます。


「君は逆立ちして2キロくらい歩ける?」

これだけでは一体何のことか分からないでしょうが、次の言葉で伝えたい意味を知ることになります。


「じゃあ足だったら歩ける?」と。


趣旨はこうです。
足の力は腕の力に比べて断然強いこと。
だから、ボール自体は腕で投げているが、その際強い足の力を使った方がいいボールが投げられると。


そして具体的なキャッチボールのやり方に進みます。
右投げの場合、右足で立って体重を預けながら、左足に荷重を移す時に投げる。キャッチャーからのボールが返ってくるまで左足でそのまま立ち続け、ボールキャッチで右足を下ろす。
投げる前に右肩を下げることで体重を右足に十分かけ、全身の荷重の移動を使って投げる。


こうすることで下半身の足の強い力がボールに伝わってくるようになり、その際腕の力はほとんど必要としないと。
そして、スピードを上げる時は、腕ではなく足の力を上げると。


更に、彼は下半身を使うフォームを覚えているからウォーミングアップしなくてもキャッチボールができるとまで言っています。



野球と剣道の違いこそあれ。
私はこの動画を最初見たときにここ数ヶ月ずっと考えていた悩みの糸口が少し見えた気がしました。


それは自分自身
「下半身の力を打突に有効利用してきていたか」ということでした。


そもそも剣道に「筋トレ」は必要でしょうか。
もちろん「必要である」とも言えるし、他のスポーツほど「必要でない」とも言えるでしょう。


剣道の勝負は瞬間で決まります。
その瞬間を捉えるため、また防ぐために正しい姿勢、全身の適時の連動だけでは難しいのかも知れません。トップの領域になればなるほど時には無理な体勢で体を動かすことが求められる。そういう意味では「必要」とも言えるでしょう。


しかし、高段・高齢の方でも竹刀を自在に振ることができる。
彼らには「技」はあっても「筋肉」はさほどはないはずです。
もっとも話すまでもなく必要最小限の筋肉は必要でしょうが。



実は、私はここ数ヶ月腕や背中に対して専用のトレーニングを辞めました。
ハンドグリップでの握力強化すら辞めてしまいました。
上半身のトレーニングは毎回の稽古の素振り程度にしました。


それは腕や手首より、順序としてその源泉となる足や腰の運用の方が大事ではないかと思い始めたからです。
もっとも下半身の生み出す力が打突にどう影響するか確認したかったというのもありますが、足腰の力が打突の土台じゃないかと。
いくら打突の機会を磨き技を研いでいこうが、それは軟弱な地盤の上にひたすら堅牢な家を建てようとすることではないかと。


まさに今剣道の格言にあるように


「腕で打つな足で打て」
「足で打つな腰で打て」



を実践すべきじゃないかと考えます。
またこれは大人初心者の方が適していると考えるのです。
みなさんが持つ「下半身の生み出す力」をできるだけ有効に利用してみませんか。


筋肉がないなら、体が硬く動かないなら、むしろそうして欲しい。
不器用でいいのです、できないからこそ基本から始めたらよいのです。



打突の理屈、その力の源は、

足腰で生み出されたエネルギー

そしてそれを

しっかり体幹で支えながら腕や手首を伝って剣に乗せること。

だと考えます。



私が考える理屈を参考にして、最終的にはみなさん自身が自分の体に見合う理屈を見つけてください。
まずは土台をしっかり作っていくこと、これから始めてみましょう。

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